『季刊プリンツ21』2008年夏号(発行・発売=プリンツ21)。1500円(税込)。特集は「四谷シモン」。言わずと知れた人形師。唐十郎の劇団状況劇場での活動を経て、七〇年代に「シモンドール」と呼び名される独特の人形を制作して一世を風靡した。作家・澁澤龍彦や寺山修司、画家の金子國義ら高度成長期のアンダーグラウンドを席巻した表現者たちと親交がある。ここ数年、特にこの1年の『プリンツ21』は視点がすごくイイ! 昨年夏の特集「金子國義」のカバー装丁はシビれさせてくれた。続く秋の「蜷川美花」は映画「さくらん」の世界を彷彿とさせる華々しい装丁と内容だった。人によっては冬の「水野晴郎」、今年春の「高田純次」といった路線を愛でるかもしれない。いずれにしても、ここ数年の『プリンツ21』は一つ残らずコレクションしたくなる、現代では希少価値のある雑誌の一つと言えるだろう。ちなみに、あゆみブックスWEB出版担当としては、コスプレイヤーを不可思議なアートの世界に引きずり込む連載「都築響一の当世とりかえばや物語」がオススメだ。まだ第二回だが、今後の展開が非常に注目される。
さて、肝心の特集「四谷シモン」。内容を書いてしまうとお買い上げになる方々に申し訳ないので、せめてラインナップをご紹介。シモンドールを紹介する巻頭グラビアはこれまたシモンと親交のある篠山紀信が撮影。最近の平々凡々とした東京の人々にぜひ読んでほしいのは「四谷シモンが出会った芸術家たち」。金子國義、内藤ルネ、唐十郎、土方巽、澁澤龍彦、寺山修司、久世光彦・・・みな互いに深い交流を持っていた人々。こんなに濃い芸術家集団はもはや存在しない。金子國義と唐十郎は七十歳を超えた今日もまだ現役バリバリだが。時代はもう大きな波を必要としていないのかもしれないが、若い芸術家たちにはこんな時代が実際に存在したことに一縷の希望を感じて、未知の芸術に取り組んでほしい。もう一つ、漫画家・楳図かずおと俳優・佐野史郎の寄稿も必見だ。





















