(新潮社、1470円・税込) 直木賞作家・桐野夏生氏、「東京島」(新潮社)で純文学系の谷崎潤一郎賞を受賞。発表当初から純文学系文学賞受賞の可能性が囁かれていたが、8月19日に現実のものとなった。「顔に降りかかる雨」「OUT」「柔らかな頰」が出世作と言われるが、村野ミロシリーズの中でも異色作と言える「ローズガーデン」から、氏はこの賞を受賞する道を歩み始めていた、と、いまとなってはそう思う。直木賞と芥川賞という二つの国の国境を自由に行き来できる作家が現れたこと、また、そういう越境者の存在が公的に認められたことを喜びたい。(出版WEB担当・川村)