今月16日に行なわれた第37回泉鏡花文学賞に千早茜(ちはや・あかね)さんの『魚神(いおがみ)』が選ばれました。捨て子である遊女(=もともとは芸能を食い扶持とする女性のこと、のちに遊郭で客を接待する女性を指すようになった)白亜と、その弟スケキヨの波乱万丈の人生を描いた小説です。幻想小説のような数々の伝説がいまも色濃く残る孤島で、離れ離れになりながらしかし常に惹かれあう姉弟二人の世界に、ぐいぐい引き込まれます。数ページ文章を読むだけで、千早さんが重厚かつ特殊な表現力を持った書き手であることがすぐに分かるでしょう。
泉鏡花賞の母体である金沢市が、この『魚神』の情景描写に活かされているとのこと。読み終わったら、映画化も期待される独特の幻想世界を味わいに金沢をたずねてみるのも一興でしょう。(K)





















