
「月刊現代 後継ノンフィクション新機軸メディア」という大看板を背負った複合メディア『g2(ジーツー)』(講談社、定価1300円)が、発刊2号にしてそのカラーを鮮明にしつつある。表紙で一番大きなタイトルは「小沢一郎の思考解剖 魚住昭」なのに、背(本棚に立てたとき見える細い面のこと)にあるタイトルは「裏切りの総理官邸 上杉隆」、そして中をめくると一番はじめにくるタイトルが「吉本興業買収ドキュメント 西岡研介」というのは、雑誌としてはほとんど例がない試みだ。気づいた人がどのくらいいるか知らないが、ストレートに考えれば、音楽CDなんかによくある「どれもA面」みたいなカンジだろうか。
『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』(講談社)で2008年の講談社ノンフィクション賞を受けた西岡研介さんは、『襲撃 中田カウスの1000日戦争』(朝日新聞出版)といい、今回の「吉本興業買収ドキュメント」といい、本当に精力的に活動している。神戸新聞から『噂の真相』(噂の真相)に移り、休刊後は『週刊文春』(文藝春秋)の専属記者として活躍、さらに『週刊現代』(講談社)に引き抜かれた、まさに"平成のトップ屋"と呼ぶにふさわしい記者だ。長いこと不調が続いている週刊誌や月刊誌も、まあこの人がいればまだ大丈夫だ、と呑気なことを言っておきたい。この不調を解決する手段のひとつは、まちがいなくいまも変わらず「足を使って取材していい記事を書くこと」なのだから。
それにしても読みごたえのあったのは、タイトルの大きさではダークホースの「ハリコミ! FRIDAY「張り込み」部隊創刊25年目の実名・顔出し座談会」だ。そもそも、いわゆるパパラッチ的な役割をはたす特任部隊が顔を出しておしゃべりするなど、ネタ切れの証拠じゃないか、というのはたぶん事実だろう。でも、いいじゃないか。ネタ切れのときにやった苦しまぎれの愚行が、案外よい評価を受けるなんてことは、日常生活でもあることだろう? じっさい、読んでみるとホントに笑える。山本未来とのデートを撮られた椎名桔平がマジギレしたエピソードや、FRIDAY記者と最後は親しくなった"番長"清原とのやりとり。これ以上書くとネタバレだからやめるが(そうそう、『g2』は記事内容をウェブサイトで全文読めるのだった)、掲載されたスクープ記事より印象に残るウラ話が満載だ。
調査取材ってやっぱりおもしろいんだ、ブログの憶測記事とはひと味もふた味も違うな、そんな気になる第2号だった。でも、西岡研介、魚住昭、上杉隆、二宮清純、佐野眞一っていうラインナップは、やはり新鮮味にかける気がする。新星なんてそう簡単に見つかるわけないけど、制作スタッフには、這ってでもそんな才能を探し出してほしい。(K)





















