
数多くの名言・箴言集がありますが、これほど現代に生きるわたしたちの精神と社会の本質をとらえた言葉を、これはわたしのことを見抜いている!と戦慄させる言葉を、わたしはほかに知りません。
その著者エリック・ホッファーをご存知でしょうか。<沖仲仕の哲学者>という変わった呼び名を持つ彼は、波乱の生涯と不屈の独学の人として知られています。移民の子に生まれ、失明と突然の回復。父と死別し天涯孤独となり自殺未遂。それを機に季節労働者となってカリフォルニア各地を放浪。その後、サンフランシスコの港湾労働(沖仲仕)のかたわら著作を出版し続け、60歳を過ぎてカリフォルニア大学バークレー校で政治学を講義することに。
学校教育を受けたことはなく、放浪と労働と膨大な読書と思索の日々のなかから、 彼だけの思想を編み上げたのです。「情熱の大半には、自己からの逃避がひそんでいる」「世界で生じている問題の根源は自己愛にではなく、自己嫌悪にある」「魂を病んでいるものはみな、病んでいるのは人類全体であり、その手術ができる外科医は自分しかいないと主張する」
透徹したまなざし、幅広い教養、強靭な思考と深い思いやり。ホッファーの思想のエッセンスの詰まった一冊です。(小石川店・久禮)
ISBN:978-4878935275、刊行日:2003/02、定価2,310円(税込)




















